どうもこんにちは!まろんです!
今日は前回の記事で3年分のログをまとめて答え合わせした続きなんですが、ちょっと視点を変えてみようと思います。前回は「平均」や「中央値」の話がメインだったので、今回は逆に、条件を満たした116本のトリップの中で一番燃費が悪かった1本だけを虫眼鏡で見ていきます。
うちは子どもの送り迎えや近所の買い物みたいな短距離の運転がわりと多い家なんですが、実は前々から「そういう”ちょっとそこまで”のトリップこそ燃費が悪化しやすいんじゃないか」と感じていました。集計の中に埋もれていた”最下位”の1本を掘り起こしたら、その感覚を裏付けるようなものが見えてきたので、今回は正直にシェアしようと思います。
先に数字だけ言っておくと、このワーストトリップは同じ短距離グループの平均と比べても、さらに4.233km/L(約20.2%)低い燃費でした。「短距離だから仕方ない」の一言では片付けられないくらいの差で、正直これには驚きました!
先に断っておくと、このトリップが具体的に何の用事だったかは、3年前のログなので正直まったく覚えていません。分かるのは記録された数字だけです。今日はその数字だけを頼りに、「なぜここまで悪かったのか」を仮説ベースで見ていきます。
2023年5月20日、たった4kmのトリップが最下位でした
前回の記事で使った2023年3〜7月の121ログのうち、燃費の集計条件(60秒以上・距離0.5km以上・燃料0.01L以上など)を満たした116本の中で、実測燃費がいちばん低かったのがこの1本です。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 記録日 | 2023年5月20日 16時27分〜 |
| 走行距離 | 4.034km |
| 所要時間 | 約21.0分(うち走行時間 約11.6分・停止時間 約9.4分) |
| 平均速度 | 11.54km/h(最高47.0km/h) |
| 使用燃料 | 0.241L |
| 燃費 | 16.761km/L |
停止時間が全体の44.6%を占めていて、動いていた時間より止まっていた時間のほうが目立つトリップでした。信号待ちだったのか渋滞だったのか、その中身までは記録に残っていませんが、平均速度11.54km/hという数字が、かなりゆっくりした走りだったことを物語っています。
ちなみにアプリがその場で表示していた燃費と、距離・燃料の終端値から計算し直した燃費は、どちらも16.761km/Lでぴったり一致していました。ログ自体の信頼性は高いと考えています。
全体平均・中央値と比べるとどれくらい低いのか
2023年の116本を距離加重した全体平均は27.449km/Lで、トリップ単位の燃費で見ても平均27.313km/L・中央値27.382km/Lでした。これに対して今回のワーストトリップは16.761km/L。全体平均より10.688km/L、率にして約38.9%低い計算です。
116本の燃費分布でいうと、最高は38.059km/L、最低が今回の16.761km/Lで、その差は21.298km/Lにもなります。同じ車・同じ3〜7月の記録の中に、これだけの幅があったということです。
「なぜ悪かったのか」を3つの仮説で確かめてみます
前回の記事では、距離・速度・EV走行比率と燃費の関係をそれぞれ集計していました。今回のワーストトリップがそのどれに当てはまるのか、1つずつ照らし合わせてみます。
仮説①:距離が短すぎたから → 支持
前回の集計では、距離帯によって燃費に大きな差がありました。
- 0.5〜5km未満の短距離トリップ(n=6):距離加重燃費20.994km/L
- 10km以上のトリップ(n=105):距離加重燃費27.519km/L
- 短距離側は10km以上より23.711%低い
今回のワーストトリップ(4.034km)は、この短距離グループそのものに含まれます。しかもグループ平均(20.994km/L)と比べても、さらに4.233km/L(約20.2%)低い数字でした。「短距離だから悪い」という傾向だけでは説明しきれないほど、短距離グループの中でも際立って低かったことになります。同じグループの中でここまで差が開くとは、正直ちょっと驚きました!
仮説②:速度が遅すぎたから → 支持
前回、平均速度と燃費の関係を調べたところ、Spearman順位相関ρ=0.576とそこそこの正の相関がありました。速度別に見た結果はこちらです。
- 遅い下位25%(中央値16.891km/h):燃費中央値25.758km/L
- 速い上位25%(中央値28.204km/h):燃費中央値28.980km/L
今回のワーストトリップの平均速度11.54km/hは、この「遅い下位25%」の中央値よりもさらに5.351km/h(約31.7%)遅い数字です。速度の遅さは、燃費の低さと同じ方向を向いていました。予想通りとはいえ、数字で並べられるとやっぱり納得感がありますね!
仮説③:EV走行が少なかったから → 不支持でした
これが意外だったんですよね!全体のEV代理走行比率(距離ベース)は62.649%でしたが、今回のワーストトリップは61.815%と、ほぼ全体平均並みでした。前回集計したEV比率の下位25%(中央値56.638%)にも、上位25%(中央値68.623%)にも該当せず、ちょうど中間くらいの値です。「燃費が悪いのはEV走行が少なかったからだろう」と予想していたのですが、この1本に関してはその仮説は外れていました。
まとめると、距離の短さと速度の遅さは「悪かった理由」として支持できましたが、EV走行比率の低さは今回のワーストトリップの説明にはならなかった、という結果です。
公式のWLTCモードから見ても「市街地」は苦手な世代でした
ここで少し公式情報を挟みます。国が定めるWLTCモード燃費は、市街地モード・郊外モード・高速道路モードの3つと、その平均である総合モードの計4つの数値で構成されています。国土交通省は2018年10月から新型車に対してこの3モード別表示を義務化しました。
市街地モードは「信号や渋滞等の影響を受ける比較的低速な走行を想定したモード」と説明されています。まさに今回のワーストトリップのような、低速・停止多めの走り方に近い区分です(日本自動車工業会・日本自動車輸送技術協会)。
うちのFREED HYBRID(GB7)は2016〜2024年に販売されていた旧型(1モーター方式のSPORT HYBRID i-DCD)です。このモデルの公式WLTC燃費は4区分に分かれていて、内訳はこちらです(Honda公式アーカイブ)。
| 区分 | 燃費 |
|---|---|
| 総合 | 20.8km/L |
| 市街地 | 17.7km/L |
| 郊外 | 21.5km/L |
| 高速道路 | 21.9km/L |
4区分の中で市街地モードがいちばん低い数値になっています。うちの車、まさかスペック表の上からして「市街地が苦手」認定されていたとは、ちょっと苦笑いでした!
ちなみに2024年6月に発売された現行のe:HEV(2モーター方式)は逆の傾向です。市街地25.9km/Lが4区分でいちばん良く、高速道路24.2km/Lがいちばん低いという公式値になっています(Honda公式)。同じ「フリード」でも世代・システムが違うと市街地の得意不得意がまるで逆転するので、この記事はあくまで旧型i-DCDの話として読んでください。
うちの車は公式スペックの上でも「市街地が苦手」な世代です。今回のワーストトリップは低速・短距離・停止多めという走り方でした。これはまさに市街地モードが想定するパターンに近く、方向性としては公式情報とも矛盾しない結果だったと言えそうです。
暖機は関係していた?ここは正直に「分からない」です
前回の記事で「エンジンが温まるまで止まらない」という体感を検証しました。ただ、冷却水温のPIDが記録されていたのは121本中8本(6.6%)だけです。
その中で「開始時80℃未満から80℃まで到達した」と確認できたのは、2023年3月15日の1本だけでした。参考までに、その1本の内訳はこちらです。
- 開始時の水温:53℃
- 到達した水温:80℃
- かかった時間:1,484.077秒(約24分44秒)
正直、サンプルがこの1本しかないのは心もとないところです!
今回のワーストトリップには冷却水温のPIDが1件も記録されておらず、暖機が終わっていたかどうかは判定できません(未計測)。参考までに書いておくと、このトリップの走行時間は21.0分(1,258.634秒)でした。これは先ほどの唯一の参考事例が暖機に要した1,484.077秒よりも短い時間です。仮に似たようなペースで水温が上がるとしたら、この21分の間ではまだ暖機が終わっていなかった可能性はあります。ただしこれはあくまで推測であって、このトリップ自体の証拠ではありません。
この記事が役に立たない人
- 「原因はこれだ」と1つに断定してほしい人:今回分かったのは距離・速度が支持され、EV比率は不支持だったという方向性までです。冷却水温が未計測のため、暖機を含めた最終的な原因の切り分けはできていません
- 高速道路や登坂での燃費の悪化要因が知りたい人:今回のワーストトリップは平均速度11.5km/h前後の市街地寄りの走行で、高速道路や勾配についてはこの記事では扱っていません
- 他のFREEDや他の車でも同じ結果になると期待している人:これはうちの1台・1本のログの話です。個体差や年式、運転のクセは考慮できていません
- 燃費を良くする具体的なコツをまとめて知りたい人:今回は「悪かった1本を掘り下げる」記事なので、改善のコツは基礎編の記事にまとめています
自分の「ワーストトリップ」も調べてみたい人へ
今回のような分析は、OBD2ポートに挿すアダプタとログアプリの組み合わせがあればできます。うちはOBDLink MX+というBluetoothアダプタと、CarScannerというアプリを使っています(iOS対応はメーカー公式サイトで確認済みです)。詳しいログの取り方は別記事で解説しているので、興味のある方はそちらもどうぞ。
1点だけ注意書きを。OBD機器を車両に接続する行為は、車両や機器の組み合わせによっては予期しない不具合の原因になり得ます。あくまで自己責任で、ディーラーやメーカーの保証の扱いについても事前に確認しておくことをおすすめします。
よくある質問
Q1. このワーストトリップはどうやって見つけたんですか?
2023年3〜7月の121本のログのうち、燃費集計の条件(60秒以上・距離0.5km以上・燃料0.01L以上など)を満たした116本の中から、実測燃費(距離÷燃料)がいちばん低かった1本を機械的に抽出しました。
Q2. 結局、燃費が悪かった原因は何だったんですか?
距離の短さと平均速度の遅さは、集計上の傾向と同じ方向を向いていて「支持」できました。一方でEV走行比率はほぼ全体平均並みで「不支持」、冷却水温は未計測のため暖機の影響は判定できませんでした。1つの決定的な原因に絞り込むところまでは到達できていません。
Q3. 短距離走行はやっぱり燃費に悪いんですか?
前回の集計では、0.5〜5km未満の短距離トリップは10km以上のトリップより距離加重燃費が23.711%低いという傾向が出ています。今回のワーストトリップもこの短距離グループに含まれていて、傾向と一致していました。
Q4. 暖機が終わっていないと燃費が悪いというのは本当ですか?
一般論としてはあり得る話ですが、今回のワーストトリップでは冷却水温のPIDが記録されておらず、確認できませんでした。参考になる唯一の記録(別トリップ)では暖機に約24分44秒かかっていて、今回のトリップの所要時間(約21分)より長い時間です。可能性としては触れていますが、証拠として断定はしていません。
Q5. 自分の車でも同じように調べられますか?
OBD2対応のアダプタとログアプリがあれば、同じような集計は可能です。ただし車種・年式・システム(i-DCDかe:HEVかなど)によって傾向が変わる可能性が高いので、この記事の数字をそのまま当てはめず、自分の車のログで確認することをおすすめします。
元になった3年分の集計記事や、そもそもの燃費改善の基礎編もあわせてどうぞ!


まとめ:短距離・低速は支持、EV比率は外れました
今回、3年分・116本の中で最も燃費が悪かった1本(2023年5月20日・距離4.034km・燃費16.761km/L)を掘り下げてみました。
- 支持された仮説:距離が短かったこと(短距離グループの平均よりさらに低い)、平均速度が遅かったこと(遅い下位25%の中央値よりさらに遅い)
- 不支持だった仮説:EV走行比率が低かったこと(むしろ全体平均並みでした)
- 判定できなかったこと:暖機が終わっていたかどうか(冷却水温のPIDが未記録)
公式のWLTCモードで見ても、うちの旧型i-DCDは市街地モードが4区分の中でいちばん苦手な数値になっていて、今回のワーストトリップの走り方(低速・停止多め)とも方向性は一致していました。ただし1本のログだけで断定できることには限りがあるので、また似たような低燃費トリップが見つかったら、比較しながら記事にしたいと思います。
というわけで、今回は3年分の中の”最下位”を1本だけ掘り下げてみました!平均や中央値だけ見ていると気づかない発見もあるもんですね。では今回はこの程度で〜!

コメント