どうもこんにちは!まろんです!
今日はついに、3年間コツコツ貯め続けたFREEDの走行ログをがっつり分析した結果を発表しようと思います!子ども2人を乗せて保育園や買い物に走り回るのがうちの車の日常なんですが、ガソリン代が気になるたびに「実際うちの燃費っていくつなんだろう」とモヤモヤしていまして。CarScannerというアプリで愛車のデータを記録し始めて、気づけばもう3年…「うちの車、実際どれくらい燃費いいんだろう?」って気になったことないでしょうか。私は感覚じゃなくて数字で知りたくて、ひたすらログを溜め込んできました。
実は2023年に書いた記事で、私は「私の平均は25.4km/L」「28km/L程度」「この前は27km/Lでした」という数字を書いていました。全部アプリやメーターの表示をそのままメモしたもので、どうやって計算された数字なのかは正直よく分かっていませんでした。
今回は2023年3〜7月の121ログと、2026年2〜7月の98ログ(946万7,383行)という実走行データを使って、あの頃の記事に書いた数字や、運転していて感じていたことが、実際のログとどう対応するのかを見ていきます。ただしこれは白黒つける記事ではなく、「近い範囲だったけど、計算方法がそもそも違った」というところまでを正直に見ていく記事です。
3年前の基準線:実測してみたら27.449km/Lでした
2023年3月11日〜7月4日の121ログのうち条件を満たした116ログを集計すると、距離加重の燃費は27.449km/Lでした(合計2,257.884km・82.257L)。トリップ燃費の中央値は27.382km/L、中心50%は25.887〜29.075km/Lです。
当時の自己申告(25.4/28/27km/L)と並べると、そこまで大きくは外れていません。でも「25.4km/Lは正しかった」と言い切るのはやりすぎです。自己申告はアプリ・メーター表示の書き写しで、算出式ははっきりしません。実測はOBDの終端値を品質フィルタ後に距離加重した数字で、母集団も式もそもそも違います。集計期間や短距離トリップ(0.5〜5km未満は20.994km/Lと低め)の扱いも異なります。
結論を先に言うと「大きく外れてはいなかったけれど、”当たっていた”と胸を張れる根拠もない」。これが3年前の自分への、一番正直な答え合わせです。
なぜ距離加重なのか
各トリップの燃費を単純平均せず距離で加重するのは、品質フィルタ後も短距離トリップの外れ値に引っ張られやすいためです。この下処理やCSV読み込みの手順は、以前書いたCar ScannerProのデータをPython/JupyterLabでグラフ化する記事で詳しく解説しているので、この記事では再解説せず「結果」に集中します。
「EVは奇数段だけ」は仕様でした。私が確認できたのは”配分”の方
最初に押さえておくと、これはi-DCDの設計仕様です。3年前の基礎編でもホンダ公式サイトの解説動画を引きながら「EV走行するのは1速3速5速7速の奇数段」と書きました。つまりここは検証というより、仕様どおりに動いているかの確認にあたります。
本田技術研究所が公開している「SPORT HYBRID i-DCD用7速デュアルクラッチトランスミッションの開発」(Honda R&D Technical Review Vol.26 No.1・2014年)には、こう明記されています。
モータはメインシャフト上に取り付けられ,デュアルクラッチの切断により,エンジンとモータを切り離す.(中略)EV走行,減速回生は奇数段ギヤを介してのみおこなわれる
Honda R&D Technical Review Vol.26 No.1(J-STAGEで全文公開)、2026年8月1日確認
i-DCDは奇数段(1・3・5・7速)がメインシャフト、偶数段(2・4・6速)がセカンダリシャフトという二軸構造で、モーターはメインシャフト側に直結されています。つまり偶数段では、そもそも機械的にモーター単独で走れない。「制御でそうしている」のではなく「そういう作りだから」なんですね。同論文のモーター諸元(最高出力22kW・最大トルク160N·m)はフリードの公式諸元と一致するので、この説明はGB7にもそのまま当てはまります。
3年前の記事では公式の解説動画をそのまま紹介しただけでしたが、今回は「うちの車で本当にそう動いているか」を自分のログで確かめられました。仕様を読むのと、手元のデータで裏を取るのは別の話なので、そこはやっと1歩進めた気がしています。
では実ログで分かったことは何か:3速が走行時間の71%
仕様の確認だけならログは要りません。ログでしか出てこない数字はここからです。
速度1km/h以上かつエンジン回転数50rpm以下をEV走行の代理指標にしてギア段(range code)別の内訳を見ると、偶数段(2・4・6速)の出現時間比率はすべて0.0%で、仕様どおりでした。そのうえで奇数段の内訳を見ると、3速だけで71.0%を占めています(1速15.3%・5速11.5%・7速2.1%)。
これは仕様書には載っていない数字です。「奇数段でEVになれる」は設計の話ですが、そのうちどの段をどれだけ使うかは、走る道と運転のクセで決まります。うちの場合は保育園の送迎と買い物が中心で、トリップ距離の中央値は17.65km。この使い方だと、EV走行のほぼすべてが3速で起きているわけです。逆に言えば7速でEVに入るのは2.1%しかなく、高速巡航をほとんどしていないことが数字にそのまま出ています。
同じフリードでも、通勤で高速を使う人ならこの配分は全然違うはずです。そこが実ログの面白いところだと思っています。
「暖機が終わるまでエンジンは止まらない」を、時間と水温で見る
初回のエンジン停止までの時間は、全体中央値2.412分(IQR 1.263〜3.575分)でした。月別では2月が中央値3.806分、6月は1.155分と、寒い時期ほど長くエンジンが回り続けていました。
停止した瞬間の冷却水温は中央値56.0℃(IQR 55.0〜62.0℃)、最低23.0℃。50℃未満での停止は1件だけです。

「冷却水が温まるまで止まらない仕様」と、おおむね整合します。ただし23.0℃という低温例も1件あり、厳密な閾値の証明とまでは言えません。低温停止の件数は検出条件で増減しうる点も申し添えます。
2023→2026、燃費は「劣化」したのか:数字が求めた慎重さ
2026年2月4日〜7月5日の98ログのうち条件を満たした91ログの距離加重燃費は26.136km/L(合計1,789.278km・68.461L)。2023年の27.449km/Lより1.313km/L(4.783%)低い計算です。
ただ2026年は月ごとの振れ幅が大きく(2月23.355→4月27.721→6月25.697km/L)、期間の取り方で平均が動いてしまいます。

そこで比較する期間と距離構成をそろえ直しました。
| 比較 | 2023年 | 2026年 | 差 |
|---|---|---|---|
| 全期間 | 27.449km/L(n=116) | 26.136km/L(n=91) | -1.313km/L |
| 共通期間(3/11〜7/4) | 27.449km/L | 26.631km/L(n=72) | -0.818km/L |
| 共通期間・距離構成標準化 | 27.443km/L | 26.924km/L | -0.519km/L(95%区間 -1.474〜+0.632) |
| 4〜6月・距離構成標準化 | 27.422km/L | 27.118km/L | -0.304km/L(95%区間もゼロを含む) |

20km以上の距離帯だけは28.438km/L→28.534km/Lとほぼ同じで、全距離帯が一様に下がったわけではありません。
交絡の候補も正直に書いておきます。まず気になるのがEV代理の距離比率で、62.649%→55.150%(-7.499pt)と燃費差と同じ方向に動いていました。
もう一つ、2026年6〜7月の停車中消費電力は2〜5月より+0.026kW(95%区間+0.004〜+0.266kW)高く、私が申告した「6月頃から冷房開始」とも符合します。季節を分けた距離標準化差は-0.96km/Lでした。
ただ、どれも「同じ方向を向いた観察」でしかなく、原因を特定した証拠ではありません。車齢なのか運転の変化なのか冷房なのか、このログだけでは切り分けられませんでした。点推定ではやや低いが、統計的に有意な劣化とは言えない、というのが今のところ一番正直な結論です。
post304の精緻化:「アイドリング中は再始動しない」にも例外がある
以前「フリードのある問題が解決したぞー」で、アイドリングストップ中にエンジンが勝手に再始動することはないと書きました。今回、停車中(速度0.5km/h以下)にエンジンが回転し充電側電流が10秒以上続いた候補が4件(2トリップ、計176.5秒)、2026年6月に見つかっています。
post304を否定するのではなく、条件を足す結果だと捉えています。「停車中でも再始動が起きる場合がある」までは言えますが、その4件の開始SOCは30%未満が3件・25%未満が1件で、20%を割っていたものは0件でした。つまり「電池が尽きたから再始動した」とまでは特定できません。分析側の判定も「n不足で判定不能」です。4件は小標本すぎるので、あくまで「例外がありそうだ」という手前で止めておきます。
オーナーの体感「20%で始動・60%まで充電・EV復帰」を実ログが判定した
さて、ここからが本題!実は私、運転してる中で「バッテリー残量(SOCって呼ばれるやつです)が20%を切るとエンジンが唸り出すな…」とか「充電、60%くらいまでは続いてる気がする」とか、体感で仮説を立てていたんです。ログをちゃんと数えてみたら…当たってた部分もあれば、思いっきり外れてた部分もありました!特に「60%まで」は見事にズレてて、正直笑いました。1つずつ見ていきます!
走行中にSOCが上がる「充電っぽい動き」は480件観測できました。開始SOCは中央値58%(IQR 46〜68%)、範囲は17〜86%で、1つの境界に集中してはいません。
H1:SOC20%未満でエンジンが始動する、実測でも支持
SOCが20%を切った区間は16回。前後10秒でエンジン回転数を評価できた15区間では、全15区間でOFF→ONを観測しました(Wilson 95%信頼区間79.6〜100.0%)。反例は0件で、私の体感はほぼそのまま裏付けられました。
H2:60%まで充電が続く、これは不支持でした
開始SOC30%未満の37件を見ると、終了SOCは中央値37%(IQR 31〜45%)。60%未満で終わったものが33件、体感していた「60%付近」(58〜62%)に届いたのは1件だけでした。

「60%まで続く」というより「37%前後でいったん止まる」ケースが多く、ここが体感と実測がいちばんズレていたポイントです。
H3:EV復帰あり、これも実測で支持
終了SOC60%未満の33件のうち、終了後10秒以内にEV走行相当(rpm50以下かつ速度0.5km/h超)へ移行したケースが23件(30秒窓では29件)。「60%未満でも途中でEV走行に戻ることがある」という体感も、おおむね裏付けられました。
補足すると、低SOC群(開始30%未満・37件)は高SOC群(開始40%以上・407件)より継続時間(中央値19.4秒対14.7秒)もSOC上昇幅(12.0pt対7.0pt)も大きめでした。この比較は低SOC37件対高SOC407件で見たものです。
燃費への影響は、対象を絞らず確認充電480件全体で見ています。確認充電中10.9km/L相当、同じ速度構成の非充電時16.6km/L相当で、観察上34.2%の低下でした。低SOC群37件だけを取り出した数字ではなく、回生や通常制御とも完全には切り分けられていない観察値です。

まとめると3つの体感のうち「20%で始動」と「EV復帰あり」は支持、「60%まで充電」は不支持でした。運転中の体感は方向性としては鋭いものの、細部の水準までは正確とは限らない、というのが今回いちばんの発見でした。
補足:勾配とギアが見せた燃費のリアル
ここからはハイブリッド機構が好きな人向けの補足です。速度5km/h以上・燃料レート0.05L/h以上で瞬時燃費をギア段別に見ると、1速5.8km/L、2速5.5km/L、3速6.9km/L、4速9.0km/L、5速12.6km/L、6速15.5km/L、7速20.9km/Lでした。3速から7速にかけては段が上がるほど燃費もきれいに上がっていますが、1速から2速だけはわずかに下がっています。

実測シフトマップでは、1速→2速は13.5km/h前後、3速→4速は26.5km/h前後で切り替わることが多いようです。

勾配別は上り坂22.2km/L、平坦26.4km/L、下り坂18.5km/Lで、下りが上りより低いのは意外でした。GPS高度はノイズが多く、別実装(上り17.9・平坦27.1・下り18.9km/L)とは絶対値が変わりますが、「平坦がいちばん良い」方向は一致しています。

この記事の数字が、そのままは当てにならない人
ここまで細かく数字を出してきましたが、正直に線を引いておきます。この記事の数値をそのまま自分の車に当てはめられないケースがけっこうあるからです。
- グレード・年式が違うフリードの方:うちはGB7のハイブリッドです。ガソリン車や新型(GB系以降のモデルチェンジ後)は制御そのものが違うので、ギア段の挙動もSOCの使い方も別物になります
- 走る環境が大きく違う方:うちの記録は通勤・保育園の送迎・買い物が中心で、トリップ距離の中央値は17.65kmです。高速メインの方、渋滞の多い都心の方、雪国の方では条件がまったく違います
- 「この運転をすれば27km/L出る」と期待している方:これはうちの1台・3年分の記録であって、再現手順ではありません。しかも交通量も経路も気温も揃えていない観察値です
- 数字の厳密さを求める方:OBDから取れる値には欠測もノイズもあります。GPS高度は数m単位でブレますし、SOCが取れているログは98本中54本だけです。そのあたりは各セクションで正直に書いたつもりです
逆に「自分の車でも同じことを測ってみたい」という方には、たぶん役に立ちます。最後に、うちで使っている機材だけ紹介しておきますね。
うちがこのデータを取るのに使っているもの
OBD2ポート(運転席の足元あたりにある診断用のコネクタです)に挿すアダプタと、スマホアプリの組み合わせです。うちが使っているのはOBDLink MX+で、iPhoneでもAndroidでも使えるのが決め手でした(iOS対応はメーカー公式サイトで確認しています・2026/08/08現在)。アプリは別記事で解説したCar Scannerを使っています。
OBDLink MX+(Bluetooth OBD2アダプタ)
Amazonで見る選ぶときに気をつけたい点も書いておきます。
- ハイブリッド車対応かどうかを必ず確認:同じOBDLinkでも、下位モデルのLXは商品説明に「ハイブリッド車・EV車は対象外」と明記されています。この記事で扱ったSOCやモーターまわりの値は、ハイブリッドに対応した機種でないと取れません
- 安すぎる製品には注意:Car Scannerの公式サイト自身が「名前に”mini”と付く製品は避けたほうがいい」と書いています(公式のアダプタ選びガイド、2026年8月1日確認)。通信が不安定だとログが歯抜けになって、こういう分析ができなくなります
- 挿しっぱなしに注意:待機電力でバッテリーが上がることがあるので、長く乗らないときは抜いておくのが無難です。うちも週末しか乗らない時期は外しています
- 技適マークの有無:Bluetooth機器なので、国内で使うなら技適表示があるものを選んでおくと安心です
よくある質問
Q1. この燃費データはどうやって計測しているんですか?
CarScannerでOBD経由の走行ログをCSV保存し、Pythonで解析しています。距離・燃料PIDの終端値を、品質条件(60秒・0.5km・0.01L以上)を満たしたトリップだけ距離加重しました。下処理手順はCar ScannerProのグラフ化記事で解説しています。
Q2. 結局、2023年と2026年で燃費は落ちたんですか?
生の数字は27.449→26.136km/Lですが、期間・距離構成をそろえると差は-0.3〜-0.5km/L、95%区間はゼロを含みます。「劣化した」と言い切れる根拠は今のところありません。
Q3. EVモードは本当に奇数段でしか起きないんですか?
今回のログでは、rpm50以下の走行時間のうち偶数段(2・4・6速)の比率はすべて0.0%でした。奇数段が合計99.9%で、うちのFREEDではその傾向がはっきり出ています。
Q4. SOCが20%を切るとどうなるんですか?
評価できた15区間すべてで、前後10秒以内にエンジンが始動していました。ただし60%まで一気に続くわけではなく、実際は37%前後で止まるケースが多かったです。
Q5. この結果は他のFREEDや他の車でも同じになりますか?
断言はできません。私1台・3年分のログの傾向で、経路や運転、個体差、年式は考慮できていません。「うちの1台の記録」として読んでいただけたらと思います。
ここまで読んで元の記事も気になった方は、こちらもどうぞ!




まとめ:感覚と実測のあいだ
3年分のログを答え合わせしてみて、体感と実測の一致・不一致はこんな感じに整理できました。
- 実測で支持された体感:SOC20%割れでエンジン始動/60%未満でもEV復帰することがある
- 実測では支持されなかった体感:強制充電が1回で60%まで続く(実際は細切れの充電の積み重ねでした)
- 仕様どおりだと確認できたこと:EV走行は奇数段のみ(i-DCDの構造上の仕様)/暖機が終わるまでエンジンは止まらない
- 判定不能のまま残った問い:2023年から2026年にかけての燃費差の主な原因
冷房のON/OFFを示すPIDや外気温データなど、次に埋めたい空白もまだ残っているので、また新しいログが貯まったら答え合わせの続きをやりたいと思っています。
というわけで、3年分のログとにらめっこした結果はこんな感じでした!体感が当たってた部分は「やっぱりね!」ってなったし、外れてた部分は自分でも「え、そうだったの!?」と一番驚いたのが私です。これからもFREEDに乗り続ける限りログは取り続けると思うので、また変化があったら記事にしますね。では今回はこの程度で〜!

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